2014年7月24日木曜日

勝手に被相続人の財産を使い込んでいる者がいるとき、不法行為や不当利得として返還を求められますか。


■相続QAシリーズ

Q:
勝手に被相続人の財産を使い込んでいる者がいるとき、不法行為や不当利得として返還を求められますか。

A:相続開始前後、被相続人の預金などを勝手におろして使っている(推定)法定相続人がいることは、類型的事象といっていいほどよくあることです。

背景は、親族間なので、勝手に使っているという意識が薄いこと、相続が開始したら、ほかの法定相続人と分けないとならないが、それは受け入れがたいと思っていることでしょう。

このとき、相続開始前は、被相続人に無断で預金を下ろしたとして、被相続人がその者に不当利得返還請求ないし、不法行為による損害賠償請求ができ、相続が開始すると法定相続人がこれらの権利を相続したとして行使が可能です。

相続開始後は、預金は法定相続人が相続分に応じて承継するので、それを超えて利得した分について、他の法定相続人は、不当利得ないし不法行為の請求が可能です。

不当利得か不法行為かですが、一番の違いは時効です。前者は行為の日から10年、後者は行為を知ったときから3年で時効にかかります。立証の困難さは同じと言っていいと思います。

これらは地裁で行うべき争訟事項ですので、家裁での調停にはなじみません。

家裁で合意ができ、任意で返すという対応はできますが、争いがあるときには、調停では解決できず、地裁でやってください、ということになります。

記事投稿者:スタッフ


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